ドライブをマウントする

First Edition 2001.10.8
Last Update 2003.3.30

Linuxでは、フロッピーディスク、ハードディスク、CD-ROMなどを使うには"マウント"という作業が必要です。 一回マウントすれば”アンマウント"しない限りディレクトリの一部として普通に使えます。
CD-ROMを入れ換える場合は、"アンマウント"してから、"マウント"する必要があります。Linuxの電源を 落とす場合は、シャットダウン中に自動的にアンマウントされます。
  1. CDROMをマウントする(対象Ver:全て)(2003.3.30)
  2. 一般ユーザーでCDROMをマウントする(対象Ver:全て)(2003.3.30)
  3. ハードディスクをマウントする(対象Ver:全て)(2002.1.20)
  4. 一般ユーザーでハードディスクをマウントする(対象Ver:全て)(2003.3.30)
  5. ドライブをアンマウントする(対象Ver:全て)(2003.3.30)
  6. 電源ON時に自動マウントする(対象Ver:全て)(2003.3.30)
  7. autofsにより自動的にマウントする

CDROMをマウントする

CD-ROMをマウントしてみましょう
CD-ROMドライブにディスクを挿入して、ルートになり以下のコマンドを打ちます。
# mount -t iso9660 /dev/cdrom /mnt/cdrom
mountというコマンドを使います。"-t iso9660"は、CD-ROMディスクのisoファイルシステムを指定しています。
"/dev/cdrom"は、シンボリックリンクになっています。シンボリックリンクとはWindowsで言うところの ショートカットです。/dev/hdb、/dev/hdcなどがCD-ROMの実体になっています。実体がどのデバイスを指定しているかを見るには、

# cd /dev
# ls -l cdrom
lrwxrwxrwx 1 root root 9 Feb 19 20:12 cdrom -> /dev/hdb

などと表示されます。これはIDEドライブでプライマリスレーブに接続されたという意味です。 SCSIのCD-ROMドライブであれば/dev/sda、/dev/sdbなどと指定して下さい。

"/mnt/cdrom"はディレクトリで、マウントする前は中身は何もありません。マウントすると、 そこにCD-ROMの中身が見られるようになります。

一般ユーザーでCDROMをマウントする

CDROMをマウントするのにいちいちルートになるのは面倒であるし、ルートのパスワードを知っていなければなりません。 一般ユーザーでドライブをマントするには以下のようにします。/etc/fstabに赤く示した行を追加します。
/etc/fstabの書式は、電源ON時に自動マウントするを御覧ください。

/etc/fstab
/dev/hda3  / ext2 defaults 1 1
/dev/hda2  /boot ext2 defaults 1 2
/dev/hda5  /mnt/hda5 ext2 noauto,users 0 0
/dev/cdrom  /mnt/cdrom iso9660 noauto,users,ro 0 0
/dev/fd0  /mnt/floppy auto noauto,owner 0 0

上記のように追記しておけば、以下のコマンドにより、一般ユーザーでもマウントできます。
$ mount /mnt/cdrom
こうすると、一般ユーザー権限で、CD-ROMにアクセスできます。こちらの方が簡単ですね。

ハードディスクをマウントする

ハードディスクの場合は、ファイルシステムをfat、ext2などと指定します。マウント先のディレクトリは /mnt/の下にhda5などとディレクトリを作りましょう。これらもルートになって作業します。
# mount -t ext2 /dev/hda5 /mnt/hda5
これで、/mnt/hda5のディレクトリでhda5のハードディスクの内容が見られるようになります。

一般ユーザーでハードディスクをマウントする

ドライブをマウントするのにいちいちルートになるのは面倒であるし、ルートのパスワードを知っていなければなりません。 一般ユーザーでドライブをマントするには以下のようにします。/etc/fstabに赤く示した行を追加します。
/etc/fstabの書式は、電源ON時に自動マウントするを御覧ください。

/etc/fstab
/dev/hda3  / ext2 defaults 1 1
/dev/hda2  /boot ext2 defaults 1 2
/dev/hda5  /mnt/hda5 ext2 noauto,users 0 0
/dev/cdrom  /mnt/cdrom iso9660 noauto,users,ro 0 0
/dev/fd0  /mnt/floppy auto noauto,owner 0 0

上記のように追記しておけば、以下のコマンドにより、一般ユーザーでもマウントできます。
$ mount /mnt/hda5
こうすると、一般ユーザー権限で、ハードディスクにアクセスできます。こちらの方が簡単ですね。

ドライブをアンマウントする

アンマウントするには、今現在のカレントディレクトリがアンマウントする場所にないことを確認し、マウントした ユーザーになって
$ umount /mnt/cdrom
もしくは
$ umount /mnt/hda5
などとします。マウントしたディレクトリを指定するだけです。
アンマウントは、電源を切れば自動的に行われますので、CD-ROMやフロッピーディスクを入れ替えるとき以外 は必要ないと思います。

電源ON時に自動マウントする

しかしこれでは、起動してからいちいちルートになってマウント、アンマウントしなければ なりません。コマンドも長いし、ハードディスクなどは電源ON時に自動的にマウントできれば便利です。

そこで、電源ON時に自動的にマウントする方法、一般ユーザーで簡単にマウント、アンマウントする方法を 示します。試しに/dev/hda5を自動でマウントするようにしてみましょう。
以下のファイルをルートになって編集します。

/etc/fstab
/dev/hda3  /  ext2  defaults  1 1
/dev/hda2  /boot  ext2  defaults  1 2
/dev/hda5  /mnt/hda5  ext2  users  1 2
/dev/cdrom  /mnt/cdrom   iso9660 noauto,owner,ro  0 0
/dev/fd0  /mnt/floppy  auto  noauto,owner  0 0

記述方法は、

デバイス名、マウントポイント(ディレクトリ)、ファイルシステム、オプション、ダンプの有無、起動時のチェック

となっています。

デバイス名/devディレクトリ内に定義されているブロックスペシャルデバイスを指定します。もしくは、 リモートファイルシステムを指定します。
マウントポイントマウントしたあとアクセスするディレクトリを指定します。
ファイルシステムファイルシステムを指定します。/proc/filesystemsにマウント可能なファイルシステムの 一覧があります。
オプションnoautoは、起動時に自動的にマウントさせないものです。
usersは、一般ユーザーにマウントを許可するものです。
ownerは、usersオプションと似ていますが、ユーザがそのスペシャルファイルの所有者でなければ なりません。
roは、そのファイルシステムをリードオンリーでマウントするというものです。
ダンプの有無これらのファイルシステムをdumpコマンドがダンプする必要があるかを決定するために用いられます。 指定されていなければ0が戻り値となり、dumpはそのファイルシステムをダンプする必要が無いとみ なします。
起動時のチェックこれはfsckプログラムによって使用されます。ブート時にファイルシステムのチェックを実行する 順序を決定するために参照されます。ルートファイルシステムでは1と明記する必要 があり、その他のパーティションは、2とする必要があります。1つのドライブ中のファイル システムは順番にチェックされます。しかし、異なるドライブのファイルシステムはハードウェア の並列性を役立たせる為に同時にチェックされます。 この値が存在しないか0である 場合には0値が返り、fsckはそのファイルシステムをチェックする必要がないとみなします。
上記の赤い行が追加した部分です。

/dev/hda5を/mnt/hda5へマウント、ext2ファイルシステム、ユーザー権限で、ダンプ有り、fsckによる起動チェック有り

でマウントすることを示しています。
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